Robloxは米国時間2025年3月17日、サンフランシスコで開催中のゲーム開発者会議「Game Developers Conference(GDC)」にて、クリエーター向けの新技術を発表しました。今回発表されたのは生成AIシステム「Roblox Cube」、「Roblox Studio」の機能強化、発見機能、収益化ツールなどです。
Robloxは、クリエーターが自身のアイデアをビジネスに変える機会を提供しており、昨年のクリエーター総収入は9億2300万ドルへと2023年(7億4100万ドル)から25%増加しています。2024年は上位1000人の開発者の平均収入は82万ドルで、2019年比570%増となっています。また、上位10人の開発者は平均3390万ドル、上位100人は平均600万ドルを稼ぎ、それぞれ450%、500%増を記録しました。
「GDC 2025」の発表内容について
Roblox Studioの機能強化
クリエーター向けの統合開発環境である「Roblox Studio」の大幅な改善を実施しました。主な機能強化は以下の通りです。
- Roblox Studioのパフォーマンスと信頼性の改善:エクスプローラの改善を含む、より高パフォーマンスなアーキテクチャでLuauを再構築しました。開発者は、何千件ものエクスプローラインスタンスを遅延なく管理できるようになります。
- ユーザーインターフェースの刷新:ツールバーのカスタマイズ機能を追加し、Studioをさらに使いやすくしました。
- アセット管理機能のアップグレード:アセット管理機能を統合し、検索・伏字フィルタの改善、パフォーマンスと安定性の向上を実現しました。
- コミュニケーション機能:開発者間の迅速かつ効率的なコミュニケーションを可能にするため、開発者同士のコメントや注釈を残し、リアルタイムで共同作業できるようになります。
Roblox Cube(3D・4D用のコア生成AIシステム)の導入
Roblox上で3Dオブジェクトやシーンを作成するためのオープンソースの3D基盤モデル「Cube 3D」を発表しました。このモデルは、今週中に初リリース版としてオープンソース化され、Robloxプラットフォームの内外を問わず誰でも利用できるようになります。
Cube 3Dは、テキストや将来的には画像入力から直接3Dモデルや環境を生成することができます。また、メッシュ生成APIのベータ版も発表され、最初の機能が始動しました。さらに、AIがクリエーターの作業を簡素化する新しいツールも発表しています。
- Roblox Cube:今週中に3D・4D用のコア生成AIシステム「Roblox Cube」を展開し、Cubeメッシュ生成APIのベータ版を含む「Cube 3Dの基盤モデル」をリリースします。
- テキスト生成APIの公開:クリエーターがバーチャル空間にインタラクティブな体験を提供できるよう、テキスト生成APIを公開します。
- リアルタイム翻訳API:バーチャル空間内のテキストを自動で翻訳するリアルタイム翻訳APIを発表します。
- 音声安全性分類器のアップデート:数週間以内にオープンソースの音声安全性分類器をアップデートし、さらにいくつかの追加言語でポリシー違反を検出できるようになります。
コンテンツ発見機能の強化
プレイヤーが自分の興味に最も関連するバーチャル空間やつながりを見つけやすくするため、以下の機能が改善されます。
- ホームページのパーソナライズ:ユーザーの興味に基づき、ランキングシステムやカテゴリ分け、おすすめ機能など、個人の好みに合わせたコンテンツ表示が可能になります。
- 友達紹介プログラム:プレイヤーが紹介リンクを使って友人をバーチャル空間に招待し、報酬を得るプログラムが数週間以内にリリースされます。カスタムバッジやゲーム内通貨など、バーチャル空間内の報酬を作成することも可能です。
- 広告管理機能のアップグレード:クリエーター向けに、スポンサー広告やサーチ広告などで業績を促進し、より多くのプレイヤーにリーチする新たな方法が提供されます。数週間以内に、魅力的な広告ユニット、パフォーマンス向上、簡素化された環境設定、ROIに焦点を当てたレポート機能など、大幅なアップグレードが導入されます。
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【RDC24】Roblox、世界のゲームコンテンツ収益シェア10%獲得を目指す 新たな収入方法と音楽発見機能など発表
その他:はじめてのRoblox入門ガイド
参考:Roblox公式ブログ、プレスリリース