2025年6月25日、新作TCGプロジェクト『Xross Stars(クロススターズ)』のメディア向け試遊会がBrave group本社で開催された。この記事では、一足先に体験した本作のプレイレポートとともに、開発陣による今後の展望についてお届けする。
新作TCG『Xross Stars』先行体験!推しと共に戦う本格派カードゲームが登場
『Xross Stars』は、VTuberや配信者などのタレントが登場する新作TCGプロジェクト。ブースターパック第1弾『Luminous Daybreak』には、Crazy Raccoon、ぶいすぽっ!、Neo-Porte(ネオポルテ)のメンバーがカードになって参戦する予定だ。
本作は、従来のようなTCGメーカーが主体となる形ではなく、株式会社Game & Co.と株式会社Samurai工房(Crazy Raccoon)が共同で運営を担い、カードゲームの流通や大会運営を株式会社Sekappy(セカッピー)が協力・サポートを行っている。さらに詳しい内容については、前回の記者発表会レポートをチェックしてほしい。
駆け引きが熱い!手に汗握るカードバトルの戦略性
試遊会では、発売予定のスターターデッキ『初の栄冠』『魔王降臨』を使用した。プレイヤーは4人のリーダーカードと共に、手札のカードを駆使し、先に相手リーダーをすべてダウンさせてラウンドの勝利を目指す。今回は3ラウンド制で、先に2ラウンドを取れば勝利となる「フルマッチ」で対戦が行われた。
デッキは合計50枚で、主に「メモリアカード」と「アタックカード」で構成されている。さらに、各ラウンドごとに1枚追加できる「タクティクスカード」の専用デッキも別途必要となる。カードの種類は、コストの役割を果たす「プレイポイントカード」も含めると全5種類に分かれている。
「タクティクスカード」はターンごとに使用制限があり、強力な効果を持つカードが多い。通常、カードを発動させるには左上のコストをプレイポイント(PP)で支払う必要があるが、「タクティクスカード」の中にはコスト0で発動可能なカードも存在するのが特徴だ。他にも強力な効果を持つ「エースカード」は、不利な状況からの一発逆転も狙える切り札的な存在となっている。

相手リーダーをダウンさせると、リーダーカードは裏面の「覚醒状態」へと切り替わり追加効果が発動する。ダメージを受けた際は、その数値分のダメージカウンターを乗せるのを忘れずに。
もし、手札にアタックカードがない場合は攻撃が行えないため、手札管理にも注意が必要となる。ターン終了時にPPが余っていれば、その分だけカードを追加でドローできるため、手札を整えながら次のターンに賭けよう。
2ラウンド目以降は、前のラウンドで残った手札とプレイエリアのカードををすべてトラッシュし、ダウンしていたリーダーを復活させてゲームを再開する。この時、覚醒状態のリーダーはそのままの状態で、未使用の「タクティクスカード」も次のラウンドに持ち越せる。不利なラウンドでは、あえて「タクティクスカード」を温存する戦略もありだ。ただし、手札はすべて捨てられてしまうため、良い手札を抱えすぎてしまうと逆に痛手となる場合もあるので気をつけよう。
実際に最終ラウンドまでプレイしてみて感じたのは、バトルは想像以上に奥深く、効果の発動タイミングひとつで勝敗が大きく左右される戦略の面白さだ。相手の動きを先読みする読み合いの緊張感が熱い、まさにTCGの醍醐味を存分に味わえる体験だった。

カードイラストは、ブースターパックごとのテーマに沿った世界観で統一されており、加工や質感にも制作陣の強いこだわりが感じられる。特にLRPPのカードは、コレクターなら誰もが欲しくなるはず。
開発陣に聞く『Xross Stars』に込めた想いとは
最後にトークセッションで語られた内容を紹介する。『Xross Stars』のプロデューサー・久保 敦俊さんに本プロジェクトへの想いや今後の展望について伺った。
――『Xross stars』の目指しているところについて
『Xross stars』は、単純なトレーディングカードゲームで終わらせるつもりはなくて、僕たちが目指しているところとしては、『Xross stars』自体がプラットフォームとして拡張していきたいなと思っています。
本作には、リーダーカードとそれに紐づくリーダー専用のアタックカードとメモリアカードが1種類ずつあります。言ってしまえば、この計3枚のカードさえあれば、どんなタレントさんでも気軽に参入できるタイトルになっていると考えています。
他のIPを扱うカードゲームでは、どうしても単一IPのデッキだったり、複数IPを組み合わせて戦うことが難しいカードゲームが多いかと思います。『Xross stars』では、それが自由に色んなリーダーだったり、垣根を越えて誰でも組み合わせられるようなゲームシステムを採用しています。
これからも、ぶいすぽっ!やCRだけでなく、色んなタレントさんや配信者さんを含め、インターネットで活動する方々が参加できるよう、どんどんと拡張していく予定です。もちろんストーリーは大事にしながらですけど、他のカードゲームでは参入が難しい活動者やタレントも含めて、新しいプラットフォームとして『Xross stars』を作っていきたいなと考えています。
―――アナログの展開にした理由について
僕たちも、VTuber業界で長くインターネットに関わってきましたが、インターネット上ではコンテンツの取り合いだったりとか、情報がどんどんと積み重なったりして、まるでインターネットの深海のような最下層部分には、たどり着けなかったりするんですよね。
過去の大会で誰が優勝したのかとか、最初の頃の盛り上がりなど既存のファンの方でも知らない方が多くなっていきますし、新しいファンがそれらにたどり着くことも難しいと感じています。
だからこそ、あえてアナログに何か残していくことを大事にしていきたいと考えています。実際に「メモリアカード」は、そういうコンセプトを元に制作しており、ファンの方から「これって、あのシーンじゃね?」といった、過去の名シーンや元ネタがあるカードになっています。
また、全国のカードショップを通じて小さなコミュニティが生まれて、ファン同士が集まって遊んでくれるような環境を作れるのも、アナログならではの魅力だと思っています。オフラインでカードショップや友達の家に集まって、共通言語としてこのIPを楽しむ感覚を大切にしていきたいというのが、今回アナログでの展開にした理由です。
―――特定の箱にこだわらず、例えば小規模な個人配信者さんの専用パックなども登場する可能性はありますか?
そうですね。ただ、ブースターパックはトレーディングカードゲームのメイン商品となるため、小中規模の個人活動者さんの専用パックは、なかなか難しい面もあります。
商品展開的には、メインのブースターパックとは別にバインダー形式の商品や個別セットといったラインナップを増やしていき、そこで色んなタレントさんが参入しやすい形を作っていければと。
―――これまでのTCGの売り方にこだわらないですか?
はい、こだわらない方針です。もちろん、パック商品をカードショップで購入できるような従来の販売方法もすごく大事にしますが、それに囚われることなく、より幅広い展開を目指しています。
―――今後、イベントでのプロモカード配布などの展開はありますか?
そのような展開も考えています。
もともと『Xross stars』としては、“タレントさんの差をあまり作らない”というゲームデザインをベースにしていて、そこはかなり意識しています。ですので、イベントで配布されるプロモーションカードがあったとしても、ゲームシステムに悪影響を及ぼすことはありません。
最終的には、この『Xross stars』自体から新しいIPが生まれたり、新しいコミュニティが形成されたり、それこそVCRのような取り組みやイベントが生まれるところまで目指しています。
初の公式イベントが開催決定!今後の展開にも注目
『Xross Stars』は、2025年8月のリリースに向けて現在も開発が進行中だ。スターターデッキやブースターパック第1弾に加え、一般先行体験会の展開(後半期間:7月19日~8月3日)や初の公式イベントも予定されており、TCG界に新たな旋風を巻き起こしそうだ。
推しのカードをコレクションしてもよし、友達と対戦して遊んでもよしと、本格派TCGならではの面白さを体感できる意欲作として、今後の動向から目が離せない。

先行体験会に参加すると、特典ステッカーをプレゼント!
発売情報
商品名 | ブースターパック第1弾『Luminous Daybreak』 |
価格 | 1パック:440円(税込) 1ボックス(12パック入り):5,280円(税込) |
内容物 | ランダムカード8枚入り |
カード種類数 | 100種+パラレル40種 |
商品名 | スターターデッキ2種 『初の栄冠』『魔王降臨』 |
価格 | 各1,650円(税込) |
内容物 | メインデッキ:1個 リーダーカード:4枚 タクティクスカード:5枚 プレイポイントカード:5枚 プレイシート:1枚 クイックマニュアル:1枚 ダメージカウンター:1シート |
取材・撮影:真貝