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バーチャルピアニスト・潤音ノクト、フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024で東京交響楽団と圧巻の共演、新たな音楽体験を創出【オフィシャルレポート】

バーチャルピアニスト・潤音ノクト、フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024で東京交響楽団と圧巻の共演、新たな音楽体験を創出【オフィシャルレポート】

2024年8月12日、”バーチャルアーティスト”開発プロジェクト「ポルタメタ」がプロデュースするバーチャルピアニスト・潤音ノクトさんが、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催された「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024」フィナーレコンサートに出演し、鮮烈なデビューを果たしました。また、本公演のオフィシャルレポートが到着しました。

イベントレポート

8月12日(月・振休)に行われた、フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024のフィナーレコンサート。川崎市のフランチャイズオーケストラである東京交響楽団と正指揮者の原田慶太楼により、“新時代のファンタジア”をコンセプトとした華やかなプログラムが披露された。

開演に先立って行われたプレトークには、原田と、伊福部昭の協奏風狂詩曲でソリストを務める川久保賜紀が登場。アメリカ育ちの二人が日本人作曲家の作品に感じるもの、新しいレパートリーへの取り組み方について語った。その後、舞台に一人残った原田は、プログラミングの意図についてこう話した。

「いつもフェスタサマーミューザのフィナーレ公演では、普通とは違うことをするのをモットーにしています。今日は、2年前からKADOKAWA、ドワンゴ、東響、ミューザ川崎で準備を進めてきたバーチャルピアニストが、ついにコンサートで初めてお披露目となります。そこで演奏したいと思ったのが、今年が初演から100周年を迎えたガーシュウィンの『ラプソディ・イン・ブルー』。あわせて、私が子供の頃に大好きだったディズニーの名作アニメーション映画「ファンタジア」で登場するムソルグスキーの『禿山の一夜』とデュカスの『魔法使いの弟子』。そして日本人として海外で活動する中、積極的に取り組みたいと感じるようになっている日本人作品から、鉄腕アトムのテーマが出てくる吉松隆さんの『アトム・ハーツ・クラブ組曲』第2番、ゴジラのメロディへ発展した伊福部昭のヴァイオリン協奏曲を演奏します。映像作品にまつわる音楽ばかりを集めましたが、その中で最もこだわったのは、物語が想像できるような聴きやすいプログラムであること。存分に楽しんでいただけたらと思います」

その予告のとおり、幕開けの『禿山の一夜』から、生のオーケストラの壮大なスケールの魅力をたっぷり楽しめる、起伏に富んだ音楽が展開。続く『アトム・ハーツ・クラブ組曲』第2番では、原田氏の「みなさん指パッチンできますか?」という呼びかけから、指揮に合わせて聴衆も指を鳴らして演奏に参加。立奏の弦楽器奏者たちのノリにのった演奏姿も印象的で、会場全体がクールかつ熱い音楽に魅了された。伊福部昭の協奏風狂詩曲は、川久保賜紀のヴァイオリンが日本の古き良き時代を思わせる旋律を奏でて始まり、終盤の「ゴジラ」風のエキサイティングなパートまで、陶酔、興奮、なつかしさが入り乱れながら音楽が展開した。

休憩を挟んで、後半にまず演奏されたのはデュカス「魔法使いの弟子」。メリハリのくっきりとした原田の音楽作りにより、目の前にファンタジアの世界が迫り来るよう。

そしてこの日のメイン・イベントとなる、バーチャルアーティストの潤音ノクトをソリストに迎えた、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」。演奏に先だち原田は、このお披露目に寄せての思いをこう語った。

「テクノロジーとクラシックをマリアージュさせて何かできないかということでスタートしたこのプロジェクトが、ついにコンサート会場でお披露目となります。ある種テクノロジーの発表会のようなところもあるかもしれませんが、プロジェクトを通じて私自身が一番大切にしたいと思っているのは、誰かにチャンスを与えるということ。潤音ノクトのオーディションでは、経歴は一切見ず、年齢、性別にも関係なく、演奏能力が高く個性のある方、何かを伝える力のある方を探しました。今日の演奏会が、未来に向けて希望を発信できる場になればと思います」

印象的なクラリネットによるグリッサンドに始まり、オーケストラ奏者たちが奏でるおなじみのメロディが、このあとの楽しい展開を予感させる。そこに潤音ノクトの豊かで深みのあるピアノの音色が加わり、音楽が一層華やかにふくらんだ。スクリーンに映し出されるバーチャルピアニスト、潤音ノクトの自然でなめらかな動きとともに、のびのびとした音が流れる。潤音ノクトは体を揺らして「ラプソディ・イン・ブルー」のリズムに乗りながら、自由自在にその場で生まれる旋律や装飾を奏でていく。そこに原田氏が指揮するオーケストラが完璧に同期し、エキサイティングな掛け合いが繰り広げられた。この革新的な共演は、開かれた感性を持つ潤音ノクトのピアノと、アメリカ音楽の遊び心を熟知した原田の指揮棒により、生命力に溢れたダイナミックなガーシュウィンの世界を見事に再現した。聴衆は、このシームレスな演奏に引き込まれ、自然でありながら技術的にも先進的な音楽体験を心ゆくまで堪能するのであった。さらに、このコンサートはライブ配信サービス「ニコニコ生放送」などを通じて世界中に配信され、オンライン視聴者からは「すごすぎてやばい」「涙止まらない」「この技術で世界中の人と演奏できるのか」「新時代の到来」といった熱狂的なコメントがあふれた。リアルとバーチャルの境界を越えたこの演奏は、オフラインとオンラインともに大きな感動を呼び、音楽の未来に新たな可能性を示唆した。

アンコールは山本直純作曲「好きです かわさき 愛の街」。川崎市民おなじみの曲が潤音ノクトのピアノに始まり、オーケストラが加わって、原田に促された聴衆の手拍子とともに、盛り上がりの中でフィナーレコンサートは幕を閉じた。

原田慶太楼さん(東京交響楽団 正指揮者)

©T.Tairadate/MUZA

フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024 の模様1

©T.Tairadate/MUZA

フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024の模様2

©T.Tairadate/MUZA

原田慶太楼さん、川久保賜紀さん、潤音ノクトさん、東京交響楽団さん

©T.Tairadate/MUZA

「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024」フィナーレコンサートの感想

【潤音ノクト さんより】
最高の舞台でした!一生の思い出に残るラプソディ・イン・ブルーになりました。原田慶太楼さん、東京交響楽団さんと音のキャッチボールをしながら、音楽を紡いでいく感覚が今でも忘れられません!そしてそれを可能にして下さった技術的なサポートにも本当に感謝しています。新しい音楽の世界へ一歩踏み出したんだな…と実感しています。ありがとうございました!!

【原田慶太楼 さんより】
プロジェクトが発足した2年前にたくさん出したリクエストが今回すべて可能になりました。フェスタサマーミューザとは日本のオーケストラが勝負にでるフェスティバルなので、そんな場でいいスタートでいいエンディングを迎えらえたなと思います。潤音ノクトのカラーが出た良いコンサートで、オーディションでプロジェクトに関わったプロの演奏家みんなが感動して素晴らしい言葉をかけてくれたことがよかったです。本当に楽しかったです。

「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024」フィナーレコンサート概要

バーチャルピアニスト・潤音ノクト

日時 2024年8月12日(月・振休)15:00開演
会場 ミューザ川崎シンフォニーホール
出演者 <指揮>原田慶太楼(東京交響楽団 正指揮者)
<ヴァイオリン>川久保賜紀
<ピアノ>潤音ノクト(バーチャルアーティスト)
演奏曲 ムソルグスキー(リムスキー=コルサコフ編):交響詩『禿山の一夜』
吉松 隆:アトム・ハーツ・クラブ組曲第2番 op. 79a
伊福部 昭:ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲
デュカス:交響詩『魔法使いの弟子』
<Discover the Future>ガーシュウィン:ラプソディー・イン・ブルー
[アンコール]山本直純:好きです かわさき 愛の街
公式サイト フェスタサマーミューザ KAWASAKI
「フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024 フィナーレコンサート」配信概要
番組タイトル フェスタサマーミューザ KAWASAKI 2024 東京交響楽団フィナーレコンサート
アーカイブ期間 2024年9月12日(木)23時59分まで

※会員登録不要、どなたでも無料で視聴できます

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©portameta Project

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