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【RDC 2025】Roblox、クリエーター向けに新たなAI機能とショート動画ツールを発表

【RDC 2025】Roblox、クリエーター向けに新たなAI機能とショート動画ツールを発表

Roblox(ロブロックス)は米国時間9月5日、第11回Roblox開発者会議(RDC 2025)にて、新たなAIツールやショート動画などの機能を発表しました。これらの新機能は、ロブロックスクリエイターによる魅力的なコンテンツ制作を後押しするとともに、オーディエンスおよび収益機会の拡大、さらには成功するビジネス構築を支援することを目的としています。

「第11回Roblox開発者会議」の発表内容について

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昨年のRDCでは、ロブロックス共同創業者兼CEOであるデヴィッド・バズーキ氏が「世界のゲームコンテンツ市場の10%をロブロックスエコシステムを通じて流通させ、ロブロックスのクリエーターコミュニティ内で分配する」というビジョンを共有しました。2025年6月30日までの12か月間で、クリエーターは開発者用換金プログラム(DevEx)を通じて10億ドル以上を獲得し、2025年はこの記録を更新する見込みです。今回の発表では、ロブロックスクリエーターに新たなツールと機会を提供し、さらなる成長を後押しします。

制作向け新機能:AIでクリエーターとプレイヤーを支援

ロブロックスは、クリエーターに芸術的自由、強化された機能性、そしてよりスマートな開発支援を提供するAIアップデートを発表しました。これらの新機能はプレイヤーが会話し、反応し、繋がり、制作することを支援します。

Roblox「リアルタイム音声チャット翻訳」

  • 4Dオブジェクト
    ロブロックスは、Cube 3Dによる強固な3D制作基盤をさらに発展させ、4Dオブジェクト創作による生成AIを進化させます。第4の次元は「インタラクション(相互作用)」を指します。これにより、オブジェクト・環境・人物間の相互作用が可能となり、モデルに組み込み機能が提供されます。例えば、即座に運転可能でドアが開く車などが実現します。(第4四半期にベータ版をリリース予定)
  • リアルタイム音声チャット翻訳
    2026年より、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語を話す(他の言語にも順次対応予定)ユーザーがリアルタイム音声翻訳の恩恵を受け、言語の壁を超えてシームレスな音声チャットが可能になります。プレイヤーの発話は翻訳され、聞き手の母国語で再生されるため、本当の意味で繋がっているグローバルコミュニティが育まれます。これは、2024年2月にロブロックスが公開したリアルタイムチャット翻訳機能を基盤として開発されたものです。
  • Text-to-Speech API
    現在ベータ版公開中のこのAPIは、10種類のプリセットボイス(声)から選んでテキストを音声に変換することができます。クリエーターはこのAPIを活用し、ライブ文字起こしや事前録音された音声スニペット、ナレーション、ノンプレイヤーキャラクターのセリフなど、さまざまなボイスオーバーの使用場面で利用できます。特に注目すべきは、ノンプレイヤーキャラクターまたはNPCとも呼ばれる、プレイヤーではなくコンピューターが操作するキャラクターに命を吹き込むことができる点で、クリエーターは、ナレーションやキャラクターの台詞を即座にバーチャル空間に組み込むことが可能になります。
  • Speech-to-Text API
    このAPIは、ユーザーの発声によるコマンドによってアクションを実行できるようにすることで、これまでにない没入感とアクセシビリティを実現します。例えば、ユーザーは「ドアを開けて」、「レーザーを打って」といった発声コマンドでアクションを実行できるようになります。また、このAPIは音声にキャプションを付与する用途にも活用でき、アクセシビリティ向上やユーザー層の拡大を支援します。本機能は、年末までにベータ版の公開を開始する予定です。
  • アシスタント機能の強化とMCP対応
    クリエーターが自然な言語でコーディング、開発、テクスチャ作成、学習すること可能にするアシスタント機能は、より自律的で文脈認識能力が高いものへと進化しました。ロブロックス環境を深く理解した上で複雑な多段階タスクを実行することで、クリエーターの生産性を向上させます。さらに今月下旬には、アシスタント機能がMCP(モデル・コンテキスト・プロトコル)に対応します。アシスタント機能は、MCPサーバーとして機能するだけでなく、クライアントとしても動作し、FigmaやBlockade Labsといった主要サードパーティサービスとの連携も可能です。
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制作向け新機能:新たなジャンルの開拓

新たなジャンルと斬新なゲームプレイ形態への拡大を目指す取り組みの一環として、ロブロックスはパフォーマンスと表現力の向上のための機能を発表しました。

  • サーバー権限
    ロブロックスの新しいモードには、ゲーム内不正行為の削減と物理挙動をよりリアルに表現できるという2つの利点があります。特に、公平性が重要で現実味が没入感を高めるシューティング、レース、スポーツゲームといった対戦型マルチプレイヤーゲームで効果を発揮します。
  • アバターの改善
    ロブロックスは常にアバターの改善を進めており、RDCでは、アバターが走ったり、登ったり、障害物を飛び越えたりする自然でリアルな動きを実現できる技術を紹介しました。また、物理性や文脈がゲームプレイに不可欠となる新たなジャンルにおいても、クリエーターがよりリアルな表現を追求できるよう、アバターの忠実度を向上させる技術も開発中です。
  • エンジン性能の強化
    ロブロックスは、パフォーマンスと品質の改善策のプレビューを行いました。これにより、クリエーターが追加作業を行なったり、パフォーマンスを犠牲にしたりすることなく、あらゆるデバイス間で可能な限り高い忠実度でロブロックスが利用できるようになります。
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事業拡大のための施策:クリエーターが成長しオーディエンスと関わる新たな機会

ロブロックスはクリエーターがエンゲージメントを高め、コミュニティを拡大するための新機能およびパートナーシップを発表しました。

Robloxモーメント(ショート動画)

  • (ベータ版) モーメント
    ユーザーがゲームプレイのショート動画かスクリーンショットを切り抜き、編集・共有できる機能です。近日中に、クリエーター向けに作成および発見用のAPIが提供される予定で、新しいオーディエンスの獲得やエンゲージメント、リテンションの向上を支援します。(モーメントは、現在ベータ版で13歳以上限定で提供中、モーメントAPIは近日提供予定)
  • パートナー
    プラットフォームへの継続的な投資の一環として、新たにマテル社がロブロックスライセンス管理およびライセンスカタログに参画します。今後、「ポリーポケット」「ストリート・シャークス」「Rock ’Em Sock ’Em Robots」「マッチボックス」といった4つの象徴的なIPが追加され、クリエーターは好きなブランドを題材にゲームを制作できるようになります。さらに、日本の大手出版企業である講談社も、「ブルーロック」と「転生したらスライムだった件」の2つの注目IPをライセンスカタログに追加します。本日より「ブルーロック:ライバル」にてサッカーで自分のスタイルでゴールを決めることも可能です。加えて、ライオンズゲートからは「ストレンジャーズ」「ブレア・ウィッチ」「フォール」といったIPが追加され、クリエーターはより多くの素材を活用できるようになります。
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クリエーター還元:クリエーターの収益機会の拡大

また、ロブロックスはDevExレートを引き上げ、獲得済みのRobux(ロバックス)を換金する際のクリエーター報酬を8.5%増加しました。これにより、クリエーターは同じRobuxの額でもより多くの収益を得られるようになります。今回の改定は、より多くのクリエーターが成長し成功できる経済圏を育むという同社の取り組みを強化する施策の一環です。すでに、トップ1000の開発者の平均収益は2020年比2.9倍増の約100万ドルに達しています。

※同社のクリエーター・エコシステムには多くのアマチュア・クリエーターが含まれています。ロブロックスで収益化している数百万のクリエーターの内、29,000人以上がDevExプログラムに参加しており、2025年6月30日までの12カ月間におけるクリエーターの収益の中央値は1,440米ドルでした。

コメント

ロブロックス クリエーター・エンジン エンジニアリング担当シニアVP ニック・トルノー 氏

私たちの目標は、開発者が自らのアイデアを大きなビジネスに変える機会を提供することです。クリエーターに強力なツールと機会を提供すれば、彼らはクリエイティブの可能性の限界を押し広げ、私たちを驚かせ、感動させる作品を生み出してくれることを、私たちは繰り返し目の当たりにしてきました。ロブロックスでは、AI機能を搭載した多くの優れたツールにより、クリエーターがアイデアをより早く、共有された現実へと変えることができるよう支援します。

私たちは常に、開発者が当社のプラットフォーム上で繁栄するビジネスを構築できるよう、新たな支援の方法を模索しており、DevExレートの引き上げは、クリエーターがロブロックスにもたらす計り知れない価値に報いる、最も直接的な方法の一つなのです。


参考:プレスリリース

【RDC24】Roblox、世界のゲームコンテンツ収益シェア10%獲得を目指す 新たな収入方法と音楽発見機能など発表
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